
タイトルを見て、西部劇ファンなら映画「真昼の決闘(原題:High Noon)」を連想すると思うが、本稿は「世にも奇妙な物語」のオムニバスドラマ「ハイ・ヌーン」のお話し。
High Noonを訳すと、正午とか真っ昼間になるが、映画「真昼の決闘」の意味合いが強いようだ。
ドラマ「ハイ・ヌーン」は、1992年に玉置浩二主演、2015年にリメイク版として和田アキ子主演でテレビ放送された。
暑くて焦げそうなジリジリとした真夏の昼間に、ネクタイを締めたスーツ姿の男が定食屋に入り、
・カツ丼(500円/600円)
・玉子丼(450円/550円)
・スタミナ丼(550円/650円)
・アジフライ定食(550円/650円)
・エビフライ定食(700円/800円)
・野菜炒め定食(550円/650円)
・シューマイ定食(550円/650円)
・もつ煮込み定食(600円/700円)
・ニラレバ定食(600円/700円)
・餃子定食(450円/650円)
・焼肉定食(600円/750円)
・ラーメン(400円/500円)
・みそラーメン(400円/500円)
・塩ラーメン(400円/500円)
・ねぎラーメン(400円/650円)
・チャーシューメン(500円/750円)
・焼きそば(450円/550円)
・焼飯/チャーハン(500円/600円)
・カレーライス(500円/600円)
カッコ内は左が1992年作品、右が2015年作品の料金
1992年作品:最低 9,650円
2015年作品:最低 12,000円
と、お店の全メニューを順に平らげ、周りのお客や野次馬から拍手喝采を浴びた後にまた、
「親子丼」
と、注文をして、周囲を驚愕させるという、ただそんだけのドラマ。
スーツ男の注文をぶっきらぼうに亭主に告げるおかみさん。猛暑に加えて、店内のエアコンも故障中だったため、グロッキー気味の亭主は作る気なさげに料理をはじめる。しかし、スーツ男が次から次へと注文をするもんだから、亭主も段々とやる気を取り戻し、おかみさんも一生懸命料理を作る亭主に見惚れる。
スーツ男が全メニューを完食すると、
「お客さん、こんなに嬉しかったことはないよ。ありがとう」
と、亭主はスーツ男に頭を下げていた。
スーツ男vs亭主を「真昼の決闘」になぞらえて「ハイ・ヌーン」としたのだろう。
さて、1992年作品と2015年作品リメイク版を比較すると、リメイク版は1992年作品より放送時間が3分ほど長く、間延びした感じがした。また、リメイク版は1992年作品をより忠実に再現したようだが、リメイク版を観た若い人たちの中には、全く意味不明なドラマに思った人もいたようだ。
そりゃそうだろう。テレビでは大食い企画番組があり、動画サイトにも大食い動画がいくらでもアップされ、並外れた尋常でない大食いがいくらでもいることを目の当たりにしている現在では、ドラマの全メニュー完食はなんら不思議ではないことだ。意味不明なドラマと思われても仕方がない。
しかし、今から26年前の1992年はまだ大食いに対する認知度が低かった。
「そんなに食べると腹を壊すぞ」
「おまえは牛か?」
「馬鹿の大食い」
と、言われた腹八分目奨励の時代だった。
大食いは、お相撲さんや巨漢の人たちに当てはまり、一般人の大食いは、びっくり人間大集合のカテゴリーに分類されていたと思う。
大食い企画番組も1989年から1991年に『日曜ビッグスペシャル』(現在の『日曜ビッグバラエティ』)枠の一企画として「全国大食い選手権」が不定期に計5回放送されたのが始まりだ(Wikipedia「元祖!大食い決定戦」参考)。
したがって、1992年当時に「ハイ・ヌーン」を観た視聴者には、こんなに食べるやつはいないと思った人が多く、バカバカしさが面白かったのだ。
2015年版は、現代版リメイク版として、ガラッと脚色してもよかったのかな。ん?それじゃリメイク版にならないか。
六平(むさか)直政が、リメイク版にも出演していたのは微笑ましかった。

▼ハイ・ヌーン(1992年作品/2015年作品)
主演:玉置浩二/和田アキ子

